社員のコスト

プチ研修

平成26年3月

社員のコスト

 

今月から介護保険料率が変更になることもあり、過去にもご案内してきましたが、社員を採用した場合にかかる費用(コスト)について考えてみたいと思います。

 

1.給与月額20万円で社員(40歳)を採用した場合

①社会保険料の会社負担分

健康保険料  ・・・・・ 9,930円(協会健保千葉支部の場合)

介護保険料  ・・・・・ 1,720円(     〃     )

厚生年金保険料・・・・・ 17,120円(坑内員・船員を除く一般の被保険者の場合)

児童手当拠出金・・・・・  300円

雇用保険料  ・・・・・ 1,700円(建設業等を除く一般の事業の場合)

労災保険料  ・・・・・  700円(卸売・小売業の場合)

計 31,470円

 

②残業代(月~金、9時~18時の仕事で毎日1時間(19時まで)残業、26年3月分)

計 31,250円 ・・・・・ 20時間×1562.5円(割増時間単価)

※本来は残業代見込み金額を含めて社会保険料を決定しますが、ここでは除く。

 

③退職金の積み立て(中退共の最低金額を利用した場合)

計  5,000円

※4か月目から1年間の半額助成制度がありますが、ここでは除く。

 

以上をTOTALすると、毎月の会社負担は67,720円。これに賞与の支給や作業服などの現物支給、また教育訓練費や募集費用、さらに、社員が半年で10日付与される年次有給休暇も使ったとすれば、会社の負担はとても大きくなることがわかります。

 

2.コストではなく投資として

1で積算したように、会社は社員を採用した場合に、大きな費用がかかります。ここで整理・確認するべきは以下の2点あるように思います。

 

①給与の決定については、総額人件費を考慮に入れる。

よく、同業他社の状況等を踏まえた世間相場で給与を決めるケースがありますが、会社の負担は採用時に伝える金額だけではなく、少なくとも関連諸費用を含め1.4倍以上はかかることを頭に入れておく必要があります。つまり、総額人件費を考慮に入れることです。これが無いと、いざというときに困るという事態に陥りかねません。

 

また、一般的に給与は勤続年数に従って上昇していくものです。それに比例して関連諸費用も上昇します。人員計画を立て、また社員のキャリアステージも考える必要があると思います。

 

②コストではなく投資として考える。

社員を採用するのは仕事を維持し、拡大していくためです。会社を発展させ、経営目的を実現させるためです。そのためには、経営者の考えと同じ方向に全力で頑張る社員を作り上げる努力が会社には必要だと思います。社員に投資をして、大きく花を咲かせましょう。

以上