三六協定について

プチ研修

平成26年1月

三六協定について

 

今回は、過去にもご説明しましたが、時間外・休日労働協定(通称「三六協定」)について再度ご案内いたします。

 

Ⅰ.時間外・休日労働協定(三六協定)とは

労働時間は週40時間、1日8時間が法律で定める労働時間の上限です。※常時10人未満の労働者を使用する一部の事業(商業、サービス業等)については、特例で週44時間とされていますが、それでも1日8時間の上限は同じです。

また、休日(労働義務が免除される日)は、週1回以上与えることが同じく法律で定められています。ただし、この週1回の休日付与が困難な場合には4週間に4日与えてもよいとされ、これを変形休日制と呼んでいます。

 

ところで、この労働時間と休日を定めた法律は、守らない場合にそれぞれ罰則の適用があります。罰則の内容は、どちらも6箇月以下の懲役または30万円以下の罰金です。

そこで、企業や使用者(企業だけではなく労働を命じた使用者も罰則の対象者)としては、法律を遵守する必要があるため、法定労働時間や法定休日の範囲内で、労働者と労働契約を結びます。ところが、ご存じのとおり諸々の事情により週40時間や1日8時間を超えての労働、また、企業によってはどうしても4週4日の休日が取れずに労働をさせる場合が発生するものです。

 

そこで、企業あるいは使用者は、「労働基準法」という法律の第三六条に基づいて労働者の過半数を代表する者(または労働者の過半数を占める労働組合)と時間外・休日労働協定を結び、管轄する労働基準監督署に届出ます。

なぜならば、その協定を届け出ることにより、法定労働時間を超えて、あるいは法定休日に労働者を労働させることができるからです(前記の罰則の適用が免除されます)。

 

この協定書のことを第三六条に明記された手続きから、三六(サブロク)協定と呼びます。なお、協定を結び届け出たからといって無制限に労働者を働かせることができるわけではありません。法定時間外労働には限度時間が設けられています。※ただし、一部の業種には限度時間の適用はありません。また、特別条項付き協定といって、一定の範囲内で限度時間を超えて労働させることができる協定を結ぶこともできます。

 

尚、注意しなければならないのは、この三六協定を結び届け出たからといって、当然のごとく労働者に時間外・休日労働命令を行えるわけではありません。きちんと労働契約書等に時間外や休日労働がある旨を明記しておく必要があります。つまり、労働条件の明示を行っておくことが時間外・休日労働命令を行う上での前提条件となります。

 

Ⅱ.労使協定で定める内容

(1)時間外労働をさせる必要のある具体的な事由

(2)対象労働者の業務の種類及び労働者数

(3)1日についての延長時間の限度

(4)1日を超え3ヵ月以内の期間についての延長時間の限度(起算日を明記)

(5)1年間についての延長時間の限度(起算日を明記)

(6)有効期間

(7)休日労働をさせる場合は、労働させることのできる休日とその始業・終業時刻

※詳しい内容については別添をご参照ください。プチ研修 H26.1 別添 36協定届記入例

 

Ⅲ.最後に

労働基準監督署の定期あるいは臨時監査の際には、必ずこの三六協定の締結・届出の有無を確認します。就業規則の締結・届出の義務が無い常時10人未満の事業場も当然対象になりますので、法定時間外労働や法定休日労働が見込まれる場合には、必ず届出・提出しておきましょう。

 以上