子育て支援と助成金の活用

プチ研修

平成23年7月

子育て支援と助成金の活用

 

今月は「子育て支援と助成金の活用」というテーマでご案内します。

 

1.今なぜ子育て支援が必要とされるのか?

 

言うまでもなく、今のままではこれからの日本の人口は減少していく一方です。少子超高齢化社会が到来しており、今や4人に1人が60歳以上になりました。小学校の一学年のクラス数が二つや三つといったところは当たり前です。将来、社会人になって税金や年金保険料を納めてくれる人が減ってしまえば、公的サービスは低下し、働けなくなって年金暮らしの方、あるいは医療費が嵩む高齢者にとっても負担増は避けられず、大変憂慮すべき事態となっています。

高度経済成長時代とは違い、賃金の上昇が見込めない中で生活していくために共稼ぎ世帯は増え、女性が男性同様に働くことは一般的になりました。晩婚化も進み、一世帯当たりの子供の数も3人以上のところは少なく、子育てと仕事の両立が困難なために、もう一人欲しくてもあきらめる家庭もあるようです。

 

子供にとっても、親が忙しく働いていてなかなか構ってもらえないため、ぐずったり、情緒不安定になったり、友達に噛みついたりといった行動を取る子もいるそうで、スキンシップ不足の解消が求められています。

 

2.会社でできる子育て支援策はないのか?

いろいろな支援策が考えられますが、一つ選ぶとすれば、やはり先月のプチ研修でご紹介した短時間勤務制度を導入し、対象者に勧めることが良いのではないかと思います。なぜなら、お金よりも時間を与えられる方が、子育て中の社員にとって、生活する上で一番助かるのではないかと思われるからです。

 

子育てをしながら家事をこなすのは本当に大変です。子供を起こし、布団をたたみ、朝ごはんの用意をし、着替えさせ、トイレに行かせ、洗濯物を干し、朝ごはんを食べさせ、洗い物や掃除をし、自分と子供の出かける準備をして家を出ます。子供の保育園の送迎、帰宅後の洗濯物の取込み、ゴミ出し、夕ごはんを作り、お風呂に入れ、布団を敷き、夕ごはんを食べさせ、洗い物をし、子供に絵本を読んであげ、寝かしつけをします。それから、保育園の連絡ノートをつけたり、お風呂掃除をしたり、洋服にアイロンをかけてたたんでしまったり、お名前シールを貼ったり、保育園で使うシーツ等を縫ったり・・・・。子供がいつもおとなしくしていれば無理なくできるかもしれませんが、実際は泣いたり、ぐずったり、すぐ寝なかったり、兄弟がいればケンカしたり、また子供が自らやりたいのを見守って時間がかかったり。小学生の兄弟がいればPTAのお手伝い、ときには習い事や勉強を見てあげたりと、両親(特に母親)は大変です。子供が小さいうちは具合を悪くして病院に行くことも多く、育児ストレスを感じる方もいるでしょう。

 

また、人間の味覚は3歳ごろに食べたものによって決まるという話を聞いたことがあります。レンジでチンしたり、出来あえの惣菜を与えるのはほどほどにして、母親が手間をかけて(あるいは子供と一緒になって)作った料理が、親にとっても子供にとっても心にも体にも良い影響を与えるのではないでしょうか?

 

人生のライフステージに合わせて柔軟に働ける制度は、そこで働く社員のみならずその家庭で育つお子さんにまで望まれる制度だと思います。使う使わないは社員の考え方一つですが、制度があることが選択肢を増やし、社会に貢献できる会社のサービスの一つだと思います。

 

★厚生労働省では「両立支援レベルアップ助成金」制度を設けて、子育て期の短時間勤務を支援しています(別添ご参照ください)。

昨年度までは、6か月間適用した社員がいれば100万円、2人目~5人目まで一人当たり80万円を申請に基づいて会社に支給していました。

※今年度の助成額は減って1人目は70万円、2人目~5人目は50万円となっています。

以上