産業カウンセリング

プチ研修

平成23年5月

産業カウンセリング

 

みなさんは産業カウンセリングという言葉を聞いたことがあるでしょうか?産業カウンセリングとは、産業組織で働く人々の人間的成長を援助することを目的として、職場生活の中で引き起こされるメンタルヘルスに関する問題やキャリア開発・形成に関する問題、そのほか職場における人間関係の改善などに取り組む活動全般のことをいいます。

 

メンタルヘルスに対する取り組み

主として相談者に対して、カウンセリングを行います。カウンセリングとは相談者の心の奥にしまってある思いを引き出し、相談者自身の自己理解が進むことによって自律的に活動できるよう援助する行為をいいます。相談者にはメンタルに不調がある・ない方を問いません。カウンセリングの基本姿勢は積極的傾聴であり、カウンセラー(相談に応ずる者)が、自らの価値観に基づく指示や叱咤激励や情報提供を行うことはありません。カウンセラーはあくまでも聞き役に徹し、相談者自身が答えを導き出していくのを援助します。

また、メンタル不調を予防するための活動としてメンタルヘルス研修の開催や情報提供、職場の相談体制の整備などに取り組むこともあります。

 

キャリア開発・形成に対する取り組み

キャリアとは一般的に職業経験またはそれに基づく職業能力全般を指しますが、キャリア開発・形成に対する取り組みとは、現在職業についている・いないを問わず、人生を通じた自己発達の過程のなかで、働くことを通じて得られる人間的成長や自己実現を援助する行為のことをいいます。

具体的にはキャリア・ガイダンス(学校での進路指導やハローワーク等での職業指導)と、キャリア・カウンセリング(キャリア開発・形成を目的としたカウンセリング活動)に分けられます。この取り組みを行うためには、多くの職業に関する様々な情報や適性テストの活用法などの知識だけでなく、目標の設定や具体的な方策の実行など実施に伴うスキルが必要とされます。

 

職場における人間関係改善に対する取り組み

メンタルヘルスの維持増進やキャリア開発において、阻害要因となるものの多くが人間関係です。それのみでなく企業が有機的に生産活動を行い、企業目標を達成する上で一つの鍵となるものが職場の人間関係です。その人間関係改善に対する取り組みも産業カウンセリングの一分野です。

具体的には組織開発的傾向のものと対人関係開発的傾向のものがあります。組織開発的傾向のものとしては、職場のリーダーに対するヒューマンスキル(人間関係能力)の開発や、チームワークを成熟、発展させていくプロセスへの援助などがあります。対人関係開発的傾向のものとしては、人間関係を良好にするためのソーシャルスキル・トレーニングや、自分も相手も大切にした自己表現の仕方の訓練であるアサーション・トレーニングなどがあります。

 

以上のような産業カウンセリング活動に携わる者として、産業カウンセラーおよぶキャリアコンサルタントがあります(キャリアコンサルタントは主にキャリア開発を援助します) ご興味がある方は、社団法人 日本産業カウンセラー協会にお問合せください。

 

以上