プチ研修
平成26年11月
メンバー同士の心の触れ合いを深める SK法
今月はSK法のご案内をいたします。
Ⅰ.SK法を知ったきっかけ
私は一応、産業カウンセラーの資格を持っています(資格だけでほとんど活動していませんが(笑))。この資格は、主に、人の心の奥にある本人でも気づいていない思いを、本人と話を進めながら一枚、また一枚、覆いかぶさっている殻を脱いでいく手伝いをして、本人が自らの思いに気づいて立ち直り、自発的に生きていくことを支える仕事です(カウンセラーを専門に仕事している人に聞くと、時には、全く話をせず向かい合って座っているだけのこともあるそうです)。
その産業カウンセラーの資格を取るときに、養成講座というものに通いましたが、その中で、同じ講座に通う仲間との心の距離を縮めるためにSK法を体験しました。
Ⅱ.SK法とは
SK法とは、簡単に言うと「グループづくりの方法」です。昭和42年、当時の文部省が各都道府県の教育委員会に対し、勤労青少年の生活意識や生活実態に即した教育の在り方を考えるために、青年教育調査研究協議会をつくることを求めました。その求めに応じて各地に当該協議会が発足しましたが、名前が長いので、青年のSと教育のKをとってS・K協議会と呼ばれたそうです。そのS・K協議会で開発されたグループづくりの方法がSK法です。
SK法を行うと、グループの仲間とすぐに打ち解けあい、場の雰囲気が温かくなります。もちろん、すぐといっても、本来は1時間半~3時間ほどかけて実施するものですが、私は実際に体験して良かったので、今から数年前にあるグループを作ったときに、リーダーとして短縮版のSK法を行ってみました。
効果は上々で、初めて会うメンバーもいたのですが、皆仲良くなり、その後の会議がスムーズに進んだことを憶えています。
Ⅲ.SK法のやり方について
私が受講した、また実際にやってみたSK法は、産業カウンセラー養成講座向けにアレンジされたものでしたが、内容は非常にシンプルで、以下のことを行っただけです。
① グループ全員の人と手を握り合って挨拶する。
② 1対1のペアを作り、自己紹介を交互に行う。
③ ペアの人と一緒に、他のペアとも組んで6人位の小グループを作り、小グループの人に対してペアの人を紹介する(他己紹介を行う)。
④ 最後に、グループの中で一人ずつ順番に主役にして、残りのメンバーが各々その人に質問をしていく(質問には一定のルールがありましたが、失念しました。また、主役はその質問をパスすることも可能)。
以上のような流れです。
実際にやってみるとわかりますが、この方法は、相手に関心を寄せるという行為を、最初は1人で、そのあと、グループ全員で行っているもので、グループの一人一人が何に関心を持ち、何が好きで(例えば食べ物や車など)、将来の希望は〇〇であるといった考えを知ることができます。また、主役の人間だけでなく、質問をする人もその質問内容から人柄がわかり、非常にグループの雰囲気がよくなる手法です。
「人は自分に関心を寄せる人に好意を抱く」という話をどこかで聞いたような気がします。「愛の反対は無関心」という言葉もあります。「人に見られている、関心を持ってくれている、自分の話を聞いてくれる」という人間関係として当たり前のことを、家庭あるいは職場でも満たしていきましょう。
良き経営者とは、また良き上司とは、部下を、社員をよく観察し、声をかけ、話を聞いてあげる人のことを言うのではないでしょうか。
以上