目的意識

プチ研修

平成24年2月

目的意識

 

今月は目的意識を取り上げたいと思います。皆様の会社では目的意識を持って社員が働いておられるでしょうか。

 

Ⅰ.目的意識を持つ重要性

今年の1月は色々な方との出会い、触れ合いがありました。朝礼を見学させてくださった居酒屋てっぺんの皆さん、「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」の著者、香取貴信さんの講演会、そして倫理研究所の富士高原研修所の合宿での出来事、また週1回のモーニングセミナーでの講話など、正月早々から色々な気づきをいただいた一か月だったと思います。

その色々な方との出会い、話を聞いて気がついたことの一つが「目的意識を持って働く」ということです。何だ、そんなの当たり前だと思われるかもしれません。働く以上、人間は目的があるのは当然だろうと。ただし、私はそう思いません。それは働く理由はそれぞれあっても働く目的を持っている人、意識している人はどれだけいるでしょうか? 理由と目的とは違うのです。

 

働く理由はたくさん挙げられると思います。お金が欲しい、旨い物が食べたい、家計のためにといったものから、認められたい、役に立ちたい、成長したいといった高尚なものまで各人様々でしょう。

翻って働く目的とは、その働く理由の上にあるものだと思います。マクロな視点というか、この世の中に対して何をするために生きていくのか、根源的な、考えるだけでワクワクする、自然とやる気が出てくるもの、それが働く目的だと思います。つまずいたり、元気がない時に思い返して原動力となるもの、それが働く目的であり、意識することで大きな結果を残すことができるのではないでしょうか。

 

次に述べるエピソードは、日本実業出版社から発行されている「てっぺんの朝礼」という本の中に書かれてあったものです。居酒屋てっぺんの社長である大嶋啓介さんが感動した話で、知っておられる方もいると思いますが、経営の神様と言われる松下幸之助さんにまつわる話です。

 

ある日、しらけたような顔で電球をみがいている社員さん一人ひとりに対して、松下さんが言いました。

「この電球はどこで光っているか知っとるか?」

「子供たちが絵本を読んでいる。すると、外が暗くなる。家の中はもっと暗くなる。そうなれば、どんな物語も途中で閉じなあかん。でもな、あんたがみがいている電球一個あるだけで、子供たちのドラマは続行や。あんたは電球をみがいているんやないで。子供たちの夢をみがいているんや。子供たちの笑い声が聞こえてこんか? 物作りはな、物を作ってはあかん。物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ってはあかんのやで。子供たちの夢のために、日本中、世界中にこの電球を灯そうや」

 

今のパナソニックはわかりません。でも、昔の松下では子供たちの夢のために働いていた人がいたんですね。経営者も社員も関係なく、目の前の仕事に対して目的意識を持って取り組むことが大切であることを教えてくれる、貴重な逸話だと思います。

 

Ⅱ.最後に

昔、どなたかに言われたことがありましたが、人は目標(ゴール)を定めると、自然に追尾ミサイルのように蛇行しながらもその目標に向かって進んでいくのだそうです。目的と目標も厳密には違いますが、意識して行動していれば自然にその方向に、それをめがけて進んでいくのではないでしょうか。仕事上の新たな発見も、色々な人との出会いや経験も、目的を意識することで得られるのではないかと思います。

 

朝礼やその他の機会に、社員一人ひとりに、今従事している仕事の目的を意識するよう働きかけていきましょう。小さな一歩が、大きな花を咲かせることにつながっていくのではないでしょうか。