社会保険の保険料の決定方法について

プチ研修

平成24年7月

社会保険の保険料の決定方法について

(標準報酬月額の決定方法)

 

Ⅰ.社会保険とは

  社会保険とは、病気や怪我、死亡など不測の事態や老後の生活に備えるため、働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い、いざというときに医療や介護、年金、一時金等の給付が行われて生活の安定がはかられる、我が国が誇る公的社会保障の根幹となる制度です。

ただし、一般的に狭義の意味で使われる社会保険とは、いわゆる健康保険(介護保険含む)と厚生年金保険(年金基金含む)のことを指しています。

今回は、この社会保険(健康保険と厚生年金保険)の保険料の決定方法についてご説明します。

 

Ⅱ.保険料の決定方法について

  社会保険料の決定は、会社の届出に基づいて各個人が47等級に分かれた標準報酬月額等級にランク付けされることからはじまります。原則として、各個人の標準報酬月額等級のランク付けは以下の三通りの方法で行います。

 

①資格取得届に基づく資格取得時決定

会社に入社した場合など、資格を取得したときの月額報酬に基づいて標準報酬月額等級を決定するもので、通勤手当や残業代の見込み分も含めて申告します。ただし、申告した金額と実際に支払われた報酬が大きく違っていた場合には遡って申告額を訂正する必要があります。

 

②算定基礎届に基づく定時決定

1年のうち4月、5月、6月の3か月に支払われた月額報酬の平均額に基づいて標準報酬月額等級を決定するもので、毎年1回必ず行う申告手続きであり、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額等級を決定します。ただし、この対象となる3か月間の月額報酬に、対象期間以外の労働分の報酬および労働の対象ではない金額(慶弔見舞金など)が含まれていた場合にはそれらを除きます。また、欠勤日数がかなりある場合や一時帰休が発生した場合も当該月を対象期間に含めないなど、この定時決定に基づく申告には様々なルールがあります。

③月額変更届に基づく随時改定

固定的賃金の変動により月額報酬が大きく変わった場合に、変更から3か月間に支払われた金額の平均額に基づき申告するものです。昇給・降給の実施、諸手当の追加・削除といった固定給の変動があった場合には、変動後3か月間を平均した金額と従前のものを比較して、標準報酬月額等級が2等級以上変わる場合に届出を行います。

上記の月額報酬以外の賞与や一時金についても社会保険料は発生します。これらの保険料は実際に支払われた金額の千円未満を切り捨てて保険料率をかけることにより算出しますが、健康保険は年間(保険者単位で毎年4月1日~翌年3月31日)の累計額が540万円まで、厚生年金保険は支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)につき150万円までしか保険料算定の対象になりませんので注意が必要です。

 

Ⅳ.終わりに

社会保険料の料率はここ数年段階的に引き上げられています。日本最大の健康保険の保険者である協会けんぽ(全国健康保険協会)も、都道府県別に定められた保険料率を平均すると10%を超えました。厚生年金保険料率も現在16.412%であり、平成29年までに毎年0.354%ずつ上昇し最終的には18.3%になります。近いうちに報酬の3割以上が社会保険料になる時代がきます。事業所の総額人件費管理は今後ますます重要になるでしょう。

 

<協会けんぽに加入する東京都の事業所、40歳社員の社会保険料の計算例>

健康保険9.97%+介護保険1.55%+厚生年金保険16.412%=社会保険料は標準報酬月額の27.932%

※保険料は事業主と社員の折半負担です。上記以外に児童手当拠出金や雇用保険料が発生します。