人事制度について

平成27年9月

プチ研修

人事制度について

 

今月は人事制度についてご案内したいと思います。

 

Ⅰ.人事制度とは何か

人事制度とは、組織で働く人の処遇に関する様々な制度(賃金・評価・配置・教育制度等)の総称であり、人が仕事を通して階段を駆け上がっていくその舞台と、その舞台を支えるルールといえます。人事制度が有効に活かされることで人は育ち、組織の維持・繁栄につながっていくと考えられます。

 

一般企業では、社員がある一定人数に達し、経営者自身の目が行き届かなくなって人事制度を考え始めることが多いと思われますが、たとえ少人数でも将来を見据えて夢を描き、その目標達成のために人事制度を取り入れることは、目標達成への近道になると考えられます。

 

ただし、既に導入している企業からすれば当たり前の人事制度ですが、まだこれからの企業にとっては敷居が高いかもしれません。でも、これは思い違いです。人事制度の導入は、経営者の頭の中を整理しルール化することから始まるからです。また、最終決定権は経営者にあります。

 

Ⅱ.人事制度を構成する3つの要素

人事制度は基本的には3つの要素から成り立っています。

① 人事等級制度  ② 賃金制度  ③ 評価制度

 

(人事等級制度)・・・・・人事等級制度で、組織の階段(等級)を定めます。職務等級制度や職能資格等級制度といった制度名で言われるケースもありますが、要は賃金(給与)の決め方によって名称が異なるだけで、企業規模・業務内容に応じて階段をいくつにするか、また階段の種類をいくつ作るか設定するものです。

 

(賃金制度)・・・・・賃金制度で、基本給の設定の仕方を定めます。人を基準にするのか、仕事を基準にするのか。ただ、仮にどちらを基準にしてもそれだけで賃金全てが決まるわけではありません。業務内容や社員の状況に応じて、基本給で補えない部分を手当の支給でカバーすることが一般的です。

 

(評価制度)・・・・・評価制度とは、等級の数および種類が決まった段階で、その等級ごとに在籍する社員に相応しい評価を従事している職種ごとに定めるものです。評価要素は通常4種類(成績、プロセス、能力、執務態度)。等級ごとに評価要素の選択を行い、そして評価要素ごとに細分化された評価項目を定めて評価します。どれを選択するのか、どこに重きを置くのかは企業によりまちまちです。

 

Ⅲ.最後に

人事制度は制度を導入することよりも運用が一番の問題だと言われます。せっかく制度を導入しても、諸事情により運用が上手くいかず結局形式的なものになってしまうケースもあるようです。そのためにも人事制度導入の目的を明確に持ち、定期的に内容の見直しを行って業績UPに結びつけましょう。

 

経営者の企業経営に対する考え方、社員に求める行動方針を明確にして、その方針にもとづいて人事制度を導入しませんか?人事制度を整備し運用して企業目標の達成と社員個人の成長に繋げて頂けたら、素晴らしい企業であると共に素晴らしい社会貢献だと思います。

以上